保証金・敷金・礼金との違いとは？

不動産会社に行ってお部屋を借りる時に発生する賃料以外の色々な項目の料金。敷金・礼金は聞くけれど、保証金・敷引きって何？　逆に、保証金・敷引きは知っているけれど、敷金・礼金を知らないケースもあります。「保証金」は多くの場合「敷金」の代わりに使われている言葉です。転勤や進学で関西方面に居住地を変える可能性がある人は、知っておきたい商習慣。

この「保証金」方式で注意したいのは、「敷引き○カ月」という契約。これは、「敷引き特約」といいます。退去時には「○カ月分は返却しません」という内容です。「礼金」の代わりというイメージが強いのですが、契約時にその金額が決められており、長期に住むほど返却される金額が少なくなる内容も見受けられます。

「敷引き特約」は、「敷金」契約のある関東を中心とした地域でも最近、時折見られるようになっています。「退去時に敷金1カ月分償却」とあれば、室内の汚れの有無にかかわらず、その分は戻ってこない契約です。礼金が無くてトクをしたと思って居たら、退去時に「敷金が殆ど戻ってこない！」ということがないように、契約前によく確認しておきましょう。また、保証金から敷引きを引いた後、場合によってはさらに保証金からクリーニング代などの原状回復費用が引かれた状態で戻ってくるので、どういった費用が退去時にかかるかも想定しておきましょう。

過去、「敷引き特約」の有効性について、最高裁判所で複数の判決が下りています。いずれも「敷引き特約は高すぎなければ有効」という判断です。争われた事例では、礼金などがなく敷引きは賃料の2倍弱～3.5倍程度です。

国土交通省のガイドラインはコチラ⇒「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について