賃貸の入居審査に通る人と落ちる人の違い
賃貸の入居審査に通る人と落ちる人の違い
賃貸住宅の入居審査を不安に思う方も多いかと思います。
審査に通る人と落ちる人との違いは一体、どこにあるのでしょうか。
審査に通る人は、収入などの一定の基準(個人属性)を満たす必要があります。逆に落ちる人は、その基準を満たしていません。
賃貸契約の可否は、一定の期間が必要で多角度から入居申込者を審査しています。
入居審査とは?
賃貸の入居審査は、大家や不動産会社にとって最も重要です。
賃貸物件の入り口ともいうべき入居審査は、物件のセキュリティーゲートです。
不動産会社では、入居審査をマニュアル化し、さまざまな角度から契約の可否の判断材料にします。
入居審査がなぜ必要なのかを考えてみます。
賃貸物件は、高額商品です。
数万~数十万円と、決して安くありません。
賃貸物件は大家にとっての資産になるので、無条件に誰にでも貸すわけにはいきません。
賃貸の入居審査は、大家と管理委託契約などを受けた不動産会社が、申込者の入居の可否を判断するものです。
不動産会社では、申込者から提出された書類、来店時や物件案内時の言動や挙動なども入居の可否の判断材料にします。
申込者との応対でも、通常の会話の中でそれとなくヒアリングをしながら、個人属性を裏付けていきます。
【入居審査をする3つの観点】
・申込者が反社会勢力かどうか
・家賃を滞納するおそれがないかどうか
・他の入居者、近隣住民とのトラブルを起こさないか
家賃の滞納は、大家にとって最もダメージを受けます。
物件をローンで購入している大家は、返済にも支障が出てくる可能性があります。
他の入居者や近隣住民とトラブルになれば、退去する人も出てあっという間に空室だらけになりかねません。
だからこそ、入居審査は賃貸の生命線ともいえる重要な作業になるのです。
入居審査の内容は?
入居審査の具体的な内容は、各不動産会社で多少の違いはありますが、共通している項目が多くあります。
大きく分けて4項目あり、これを全て満たすことが、最低条件になります。
大家の意向によって、入居審査の条件を緩和したり、さらに厳しくしたりすることもあります。
【入居審査の重要な4項目】
1.年収(収入)
2.職業・勤務先
3.連帯保証人
4.態度・見た目・人柄
この4項目のうち1~3が1つでも不足していると、入居審査を通過することは困難です。
中でも最も重要なのが、「職業」という項目です。
賃貸の入居審査では通常、無職だと否決されます。
同じ収入のない学生は、一定の収入のある両親が連帯保証人になることが多いので問題ありません。
年収は家賃との比率で見られます。家賃が年収の約33%以下であることが条件です。
職業や勤務先は、医師や弁護士などの専門職、上場企業・公務員の属性は審査に通る可能性が高いです。
就労形態は「正社員・正職員」←「契約社員・自営業者」←「フリーランス・自由業」←「アルバイト」←「無職」の順で審査に通る可能性が高いです。
入居審査は誰が行っているのか?
賃貸契約の際に、保証人を立てるパターンと保証会社を使うパターンとあります。
一般的には両親や親族などの身内を保証人に立てるケースが多いです。
最近では保証人が立てられないケースも増加し、保証会社がその役割を担うことも増えています。
保証人を立てる場合、不動産会社が審査を行います。
これは、大家に代わって審査を代行する一般的なケースです。
他に、不動産会社に加え、保証会社も審査を行う場合もあります。
保証会社は入居者に代わって家賃などの債務が発生することもあり、不動産会社で可決しても、保証会社で否決することもあります。
連帯保証人・保証会社とは
連帯保証人とは
賃貸では連帯保証人を立てます。
万が一の場合、入居者に代わって債務や損害を弁済するのが目的です。連帯保証人がいれば、大家にとって安心して部屋を貸せます。
連帯保証人は保証人と違い、主債務者(入居者)と全く同じ債務や責務を負います。
連帯保証人には、経済的に自立している本人の両親や兄弟姉妹を立てるのが一般的です。
保証会社とは
両親が高齢の場合や身近に連帯保証人がいない時には、保証会社がその役割を果たします。
月々の家賃の約5~10%程度の保証料を支払うことによって、連帯保証人の代わりになります。大手不動産会社では、管理会社が指定した保証会社を利用することが、契約の条件になるケースも増えています。
賃貸の入居審査に通らない理由
賃貸の入居審査は、ほぼ全ての項目を客観的に判断します。
一定の基準を満たすことができなければ、否決されます。
物件の家賃が収入に見合っていない
収入に対して家賃の割合が高いような場合、審査に通りづらくなります。
家賃は収入の約33%以内という基準があります。月収20万円なら家賃の33%は66,000円になります。
これを超えるような場合は、もちろん、保証会社の審査も否決される可能性が高いです。
滞納履歴がある
通常、賃貸住宅の家賃滞納歴は、不動産会社で把握することができません。
クレジットカードや住宅ローンなどは、民間の信用調査機関がネットワーク化しているため、北海道にいても沖縄にいても、過去の履歴が分かります。
不動産会社は、滞納歴などのデータを全国で共有できるシステムがないため、基本的には滞納歴がつかめません。
ただし、過去にクレジットカードで家賃を払っていて、滞納したことがあれば、不動産会社に把握される可能性が高まります。
クレジットカードの引き落としができないと延滞歴として、記録に残るからです。例えば、クレジットカードを発行している信販系の関連会社が保証会社になっていた場合に想定されます。
家賃滞納が不動会社に把握される例
1.過去に物件Aの家賃をクレジットカードで決済していた
↓
2.物件Aの家賃を残高不足で引き落としができず、督促されたことが数回ある
↓
3.物件Bに引っ越しを予定していたが、信販系の保証会社Cの審査で否決された
態度やマナー、心証が悪い
不動産会社にとっては、入居希望者の来店時から既に「審査」を開始しています。
書類上からは判読できない、入居予定者の性格や特徴などをチェックしています。
年収、職業、勤務先が高属性であっても、本人の性格などに問題があれば、入居者とのトラブルも想定されます。
言動、マナーなど最低限のルールを守れるか、なども見ています。
例えばこんな経験ありませんか。入居申し込み後、わざわざ店の裏の駐車場まで見送りにきてくれました。担当者は入居申込者がどのような車に乗っていて、車がどのような状況か観察しています。
年収に見合わない高級車は家賃滞納の可能性を疑われ、改造車や車体の汚れは心象が悪くなります。単純に、見送りにきたわけではありません。
水商売などの業種についている
水商売や風俗関連の仕事をしていると、賃貸の審査に通るのが難しくなります。その理由は一般的に収入が安定しないことが挙げられます。
次に昼夜逆転の生活スタイルになるケースが多く、生活時間帯が通常より異なるため、騒音などのトラブルを引き起こしやすいからです。
連帯保証人が両親や兄弟・姉妹以外、または収入が低い
連帯保証人は通常、両親や兄弟・姉妹を立てるが一般的です。
ところが、これ以外に連帯保証人を立てるケースでは、審査に通る可能性が低くなります。
会社の上司や友人・知人は血縁者のように責任を取ることが考えにくいからです。
現役で働いている両親、社会人の兄弟・姉妹を連帯保証人にできなければ、本人と家族の関係が不審に思われます。連帯保証人は、本人と同等かそれ以上の収入があることが前提です。
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